【会期】
2023年 3月16日(木) - 5月7日(日)
【開館日】
会期中の木・金・土・日曜日
【開催時間】
10:00 - 17:00
※金・日曜は70分ごとの時間別予約制
※木・土曜は予約不要・終日時間制限なし
【出陳作家】
岩渕華林 / チェ・フチェイン / 冨所龍人 /
高橋弘子 他
ルートヴィヒ・ビンスヴェルガーが明らかにしたように、ドイツ表現派のフランツ・マルクの『青い馬』では、画家は現実に存在している馬についてはまったく無関心です。それは彼の選んだ色からも明らかです。しかし、まさにこうしたやり方によって、彼の絵は、現実に存在している自然の再現を目指している多くの絵画よりも、はるかに強烈に馬の本質を我々に伝えています。対象が現実に存在するか否かにかかわらず、対象の本質をつかむことができるのならば、我々は実在の形態である足を、人間から引き離しても、足という特性によって、その本質の適用ができるのではないでしょうか。
前田朋子「彼女のピンヒール」
狼は移動に適した足を持っていることで注目に値します。それは前足が胴体のすぐ下に位置し、爪先が外側を向くという特性を示しています。この条件のために、前足が付けた足跡に後ろ足が重ねやすいという利点があります。長く細い足は、雪の多い地域を動くことに適しているのですが、群れで移動する際にも、仲間の足跡を辿ることで体力を温存することができるのです。長距離を走り、速度を維持します。「足が狼を養う」という諺がロシアにはあるほどです。
参考文献 : 『オオカミSPIRIT OF THE WILD』
高橋弘子「松を育てる_20220918」
チュ・フチェイン/朱夫誠「2018.11.25」
エジプトの壁画が示すところでは、人間は紀元前2000年代には、すでに養馬に従事していました。それらは実用のためですが、馬が爪先立って走る姿は、純粋な骨の運動としても美しいものです。たとえば、馬のもっとも特徴のあるものは、あの重い図体をささえるための四肢骨ですが、特に後足の骨が興味深いといえます。大腿骨においては、人間と馬は、それほど違わず、人間はかかとをつけて歩き、ウマはその反対に爪先立って歩くということで正反対でありますが、それぞれの歩き方で安定はしています。馬も人間も、体のバランスをとることが上手で、ちょっとした溝を跳び越すのは訳がありません。ただ、馬は骨盤が大きく、この点、馬は扁平な人間とは違います。人間は直立歩行に適応して脊柱が頭骨をその中央で支えることから、骨盤も大きく変わったのです。
参考文献 : 『世界で一番美しい馬の図鑑』
北海道で活動する本展出陳作家
HOKUBU記念絵画館では、北海道を拠点に活動されている作家を積極的に展示・紹介しています。
高橋弘子 Hiroko TAKAHASHI
2013 年より作品発表を開始。
札幌を拠点に個展開催のほかグループ展へ参加。
自分自身や他者、世の中のさまざまなことについての根本や、生きているとは実際どんなことか、といった疑問から発生する命題を中心に、狼などの動物、岩、 植物など、誰もが見覚えのあるものを起用した平面作品を制作している。
作家ウェブサイト:https://hirokotakahashi.net
作家在館予定
3月16日(木)10:00〜13:00 4月8日(土)11:00〜15:00 4月15日(土)11:00〜15:00
4月20日(木)14:00〜17:00 4月27日(木)14:00〜17:00 5月6日(土)10:00〜15:00
途中、休憩などで離席する場合があります。
在廊予定は変更となる場合があります。その際は当websiteや高橋弘子SNSにてご案内いたします。